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「Startup of the Year 2016」(3) ~ソーシャルスタートアップ・オーディエンス部門~

最終回は、”Startup of the Year 2016”のソーシャルスタートアップ賞と、オーディエンス賞を紹介します。

 

 

 

ソーシャルスタートアップ賞:UNA

www.unawheel.ru

 

Supreme Motorsが開発した「UNA WHEEL」は、市販の車いす電動車いすに変えてしまう脱着可能型の電動エンジンです。


UNA WHEEL

 

「UNA WHEEL」の総重量は11kgで、車椅子使用者が他の人の手を借りずに、30秒ほどで取り外しできるように設計されています。脱着可能型といっても、非常にパワフルな電動エンジンで3~4hの充電によって、35km走行することが可能です。最大速度は15km/hで、車椅子の重量と合わせて150kgまで牽引できるようになっています。走行可能な傾斜角度も35°まで対応しています。

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価格も70,000Rub(約14万円)とリーズナブルです。日本で電動車いすを購入しようとすれば、大手メーカーのスズキで約30~40万円、 昨年大型の資金調達をした次世代パーソナルモビリティの開発を手がける「WHILL」は99,5万円、アメリカで開発された世界最軽量の電動車椅子「ZINGER」は19,9万円です。

▼スズキ電動車いす価格帯

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jp.techcrunch.com

 

www.zinger-japan.com

 

Supreme Motorsのメンバーは4人です(Nikolay、 Sergei K.、Sergei P.、Igori)。彼らは、2014にこのアイデアを思いつき、モスクワ国立工科大学(MGTU)と共同で約2年の歳月をかけてプロダクトを完成させました。

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www.bmstu.ru

 

現在は、ロシアで最も大きいクラウドファンディングサイトである「Planeta.ru」で、100万Rubをゴールに資金調達をしています。また、昨年からPlaneta.ru、Russian Venture Company(RVC)、EVA Investの三社が共同でハードウェアスタートアップ向けのプロジェクト「Technology Battle」を始めました。ここでもファイナリストに選ばれ、10万RubのプレミアとEVA Investとの1on1ミーティングの機会を獲得しています。

 

▼ロシアNo1のクラウドファンディングサイト「Planeta.ru」

planeta.ru

 

▼ハードウェアスタートアップ向けプログラム「Technology Battle」

promo.planeta.ru

 

ロシア連邦社会政策・労働省によると、ロシアにおける障害者用車いすの利用者は、32万人とされており、2011-2012年には国家予算における障害者への社会保障費として、4,246億Rubが計上されています。一方で、日本においては、H28の手動車椅子出荷台数は48万台(一般財団法人 自転車産業振興協会技術研究所調べ)、H27の自立支援給付金(障害福祉サービス)が9,330億円(参議院 厚生労働委員会調査室調べ)でした。

 

市場規模に関しては、ロシアに比べて、日本の方がやや大きいものの、日本では今後電動車イスは、マイクロEVに代替されるとの見方もあります。一方で、ロシアでは車いす利用者の90%がいわゆる市販の手動車いすを利用しており、「UNA WHEEL」のようなパワフルでデザイン性の高い車いすの利用者が少ない為、潜在需要はあるかもしれません。

 

しかし、ロシアの場合は歩道の整備環境が日本に比べ、圧倒的に劣悪である為、ユースケースを一般公道利用以外にも考える必要があるかもしれません。

 

何れにせよ、「UNA WHEEL」のような製品が出ることで、老人・障害者の生活にさらなる多様性と活力が生まれてくれたらと思います!

 

 

オーディエンス賞:Педиатр 24/7(英:Pediator24/7)

pediatr247.ru

 

「Pediator24/7」は、Mobile Medical Technology社が提供している小児用の遠隔医療のサービスです。24h365日、インターネット上で小児科医からのアドバイスを受けることができます。提携医療機関が24h体制で、対応してくれるようになっています。

 

ユーザーはまず、[当直医にすぐに相談]か[専門家への相談を予約]を選択します。

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[当直医にすぐに相談]の場合は一回800Rubです。

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[専門家への相談を予約]する場合には、カレンダーから日時を指定します。また、料金は専門家によって異なります。

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アドバイスは、PCブラウザ、モバイルappのどちらからでも受けることができます。また、インターネット通信の状態が悪ければ、担当医から電話を受けることもできます。

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「Pediator24/7」は小児科医に特化したサービスですが、同社が提供する「Online Doctor」は医療分野を限定しない類似の遠隔医療サービスです。

onlinedoctor.ru

 

「Pediator24/7」の創業者でもあるAleksandr Smbatyanはシリアルアントレプレナーです。他に、インターネットショッピングサイトの「Aizel.Ru」、ショッピングクレジットの「vkredit24.ru」、ファッション系メディアの「Buro24/7」を創業しており、また、医療系サービスを投資先にもつVCのGenome Venturesの創業者でもあります。

Genome Ventures

「Pediator24/7」もGenome Venturesから出資を受けています。

 

「Pediator24/7」の創業は2013年です。子供の成長に関する母親たちの相談をすでに12,000件以上受けています。その相談のほとんどが、「子供に何を食べさせるべきか」というもので、相談の85%はモスクワ、サンクトペテルブルクを除くロシアの地方都市からのものだそうです。

 

「Pediator24/7」は今後、障害者児童向けの医療サービス展開と、人工知能を活用したBotによる遠隔診療の開発を行っていく予定です。

 

 

ヘルスケア分野に特化したVCのRock Health社のリサーチによると、2016年のロシアにおける*eHealthサービス市場は昨年対比+19%の成長をみせています。ロシアのプーチン大統領も今後2年間で、全ての医療機関をインターネットで接続し、遠隔医療に力を入れていくと発言しています。4,000人のロシア人を対象にしたアンケートでは、実に回答者の40%以上がすでに何らかの形でeHealthサービスを利用したことがあるとわかりました。

*情報通信技術を積極的に医療に導入することで個人の健康を高める仕組み。

rockhealth.com

 

市場の拡大に伴い、プレイヤーも多様化しています。「Pediator24/7」や「Online Doctor」以外の遠隔医療プレイヤーとしては、以下の企業が挙げられます。

▼「ONDOC」
個人の医療データを集約し、診察や処方に役立てる

ondoc.me

 

▼「Welltory」
個人の健康に関するアドバイスがもらえるモバイルapp

welltory.com

 

▼「Doctor at Work」
医者の為のネットワークサイト

www.doktornarabote.ru

 

▼「Helfine Medical」
ドイツ人の医師からセカンドオピニオンがもらえる

www.helfine.ru

 

 ロシアでは2015年から遠隔医療についての議論が活発化してきています。その発端となったのは、ロシア連邦保健・社会発展省と「IIDF(Internet Initiative Development Fond )」、「IID(Institute of Internet Development)」、Yandexの三社が遠隔治療に対して異なる意見をぶつからせた事でした。ロシア連邦保健省は、遠隔治療はあくまでも、相談やアドバイス、経過観察などの領域にとどまると主張しましたが、民間三社は遠隔治療は診断や薬剤処方も含む定義であると反論しました。

 

日本における遠隔医療については、2015年の政府の方針転換を機に、一気に規制緩和の流れとなっています。

www.nikkei.com

 

ただ、ロシアの実際の医療現場においては、医師が患者から直接メッセンジャーアプリなどで相談受けるようないわゆる「黒い医療行為」が数年前から頻繁に行われており、患者を守るという意味でも、早急な法整備が求められています。

 

また、ロシアにおける遠隔医療のニーズの高まりの裏には、ロシアならではの医療従事者の賃金の安さも関係しているかもしれません。本来であれば、国民の生活を支える社会インフラに携わる者として、しかるべき待遇が守られていない現状があります。
下の図では、ロシアの医師の平均賃金は25,000Rubであり、ドイツの約1/10、アメリカの1/17の給料しかもらえていません。

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Startup of the Year 2016はいかがでしたでしょうか。今年は医療や建築など、既存の業界に最新のインターネットテクノロジーが導入され、新しい価値を生み出すスタートアップの姿がみられました。今後もこういった流れは加速していく事でしょう。

 

最後に、受賞チーム以外でも、フィナリストはスポンサーからのプレミアを受けるチャンスがあります。今年のプレミアはカシペルスキー研究所とMicrosoftが提供しました。
カシペルスキー研究所はビッグデータ解析のスタートアップ「Tusk Pro」に賞状を、MicrosoftMicrosoft Bizparkで使える12万USD相当のプレミアを、マイクロファイナンス向け信用調査サービスの「Scorista」にプレゼントしました。

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参考記事→

vc.ru

 

Денис Юдчиц, «Педиатр 24/7»: Мы решили сделать сервис для мам, который доступен круглые суткиmhealthrussian.wordpress.com

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"Startup of the Year 2016"(2) ~ハードウェア・フィンテック賞~

前回に引き続き、”Startup of the Year 2016”の受賞チームを紹介したいと思います。 

 

ハードウェア賞:Apis Cor

apis-cor.com

 

Apis Corはシベリアイルクーツクで生まれた建設用モバイル3Dプリンタのスタートアップです。トラック一台で移動できる2tのモバイル3Dプリンタで、実際に住宅用建物を建設することができます。

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"Startup of the Year 2016"発表!!!(1)

今回は、モスクワのDigital Octoberで開催された、”Startup of the Year 2016”に特派員のキリル君が参加してくれました!

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www.digitaloctober.r

 

 ”Startup of the Year”とは?

award.inc.hse.ru

“Startup of the Year”は、2008年から始まったビジネスコンテストで、今年で9回目を迎えます。イベントの主催は、”High School of Economics”(通称HSE)という教育機関です。これは私立の大学で、MBAコースも準備しています。大学内にはスタートアップを支援するインキュベーター機能があり、Startup of the Yearはこのインキュベーターが主に企画運営しています。

 

High School of Economics

www.hse.ru

 

Startup of the Yearは、コンクールへのアプライから最後のビジネスピッチコンテストまで約1ヶ月の間で運営されます。流れは以下の通りです。

  1. HSEにコンクール申請書を提出する
  2. 二週間後に4つの部門毎にスタートアップ3社がそれぞれノミネートされる
    (審査員、VC、個人投資家、大企業、成功しているスタートアップの代表者)
  3. 1週間〜10日後にビジネスピッチコンテスト&受賞セレモニーが開催される
  4. ノミネートされた12社にはパートナー企業から賞品をもらうことができる
    今回は、Microsoftからグラントで$120 тыспо программе Microsoft BizSpark。そのほか気に入ったチームには、корпорация готова подарить грант в размере $25 тыс на год.の準備がある

今年のパートナー企業は、Raiffeisenbank(オーストリア系銀行Raiffeisen Bank Internationalのロシアにおける子会社)、MTC(ロシアの大手通信会社)、PepsiCo、カシペルスキー研究所、Microsoftでした。

 

Startup of the Yearの過去ノミネートor受賞チームには、今までにご紹介したComfortway、YouDOも含まれており、近年ロシアにおけるスタートアップの登竜門として存在感を発揮しています。

 

russiabuzz.hatenablog.com

  

russiabuzz.hatenablog.com

 

 

Startup of the year 2016!!!

Startup of the Yearでは、4つの部門(グローバル、ハードウェア、フィンテック、ソーシャル)に分けて選考を行います。また、当日の会場投票でオーディエンス賞も一社選ばれることになっています。

それでは、2016年度の受賞スタートアップを紹介していきます。 

 

グローバル賞:Statsbot

statsbot.co

Statsbotは2015年11月創業のスタートアップで、Slackの拡張ツールを提供しています。Google AnalyticsやMixpanel、Salesforceと連携させることで、サイト解析のサマリーをSlack上に定期的に流してくれるbotサービスです。

例)Slack上に流れてくるサマリー

https://static40.siliconrus.cmtt.ru/paper-media/93/e1/4f/d390f3761f3dab.png

Statsbotのアイデアは、CEOのArtyom Keydunovの前職の経験から生まれました。彼は、遠隔でエンジニアチームと仕事をしていたことがあり、その時にあらゆるコラボーレションが生まれる場所ーすなわちSlack上にーGoogle AnalyticsやMixpanelのデータを引っ張ってこれないかと考えました。

 

現在チームは、10人弱まで成長し、オフィスも昨年からアメリカに移しました。

 

2016年にSeedラウンドで約$2Mを調達しています。インベスターの中には、500Startups やSlack Fundも含まれています。

Slack инвестировал в российский проект Statsbot и ещё 10 стартапов

 

利用者は順調に伸びてきており、今年2月の時点で20,000人を突破しています。法人利用としては、Vimeo、Product Hunt、Y Combinator、 Khan Academy、 NASANikeBBCSalesForceなどの大手企業でも活用されています。

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*各種インタビューから作成

 

2016年6月の段階では無料プランがありましたが、2017年3月現在はフリートライアルを除き、基本は全て有料プランになっています。

↓2016年6月

https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/119581/2c9e24c7-55b7-3529-f2cb-ac47ae1bef7b.png

↓2017年3月

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Statsbotは元々、アメリカのProduct Huntで紹介されて飛躍的に認知度が上がりました。Product Huntはスタートアップが新しいプロダクトを露出する場として注目されているソーシャルニュースです。

www.producthunt.com

 

その他にもHacker Newsや、Google Analyticsの公式ツイッターでも紹介されており、日本でもQiitaを通して紹介されています。

qiita.com

 

現在もPR戦略に関しては、コンテンツマーケティングに注力しており、自社でマーケターを抱えながら外部サイトに記事を書いてもらうことで、認知度を高めています。

今後はサービス改善にさらに力を入れ、異なるソースから集められたデータを用いて、企業にとって最適なインサイトを提供できるようにしていくとのことです。

 

次回は、ハードウェア賞・フィンテック賞について紹介したいと思います。

 

 

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SPBを代表するインキュベーター”イングリア”

政争に巻き込まれたテクノパーク建設

今回は、サンクトペテルブルクを代表するインキュベーター”イングリア”を、
訪問してきました。

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Бизнес-инкубатор Ингрия

 

2008年、ヨーロッパやアメリカをモデルに、イングリアはビジネスインキュベーター
パイロットプログラムとして、設立されました。

イングリアはテクノパークとしての顔も持っており、サンクトペテルブルク市100%出資の株式会社テクノパーク サンクトペテルブルクが運営会社です。

テクノパーク”イングリア”は、2006年にサンクトペテルブルク国立通信大学の構想によって、そのプロジェクトがスタートしました。

www.sut.ru

サンクトペテルブルクプーチン大統領の出身都市でもあり、テクノパーク建設は彼の肝いりのプロジェクトでした。モスクワ・スコルコヴォのカウンターパートとして、建設が予定されていましたが、2015年に完成予定だったものの、未だに建設中です。

当初は、ノヴォシビルスクのアカデミーパーク等と同様に、国家予算が入って、建設される予定でした。しかしながら、その権利帰属がサンクトペテルブルク市なのか、国家なのかを巡り、裁判にまで発展しました。その結果、国家予算の編成が見送られてしまい、サンクトペテルブルク市と個人投資家による投資だけでプロジェクトがスタートしました。初期の2012年完成予定は延期され、建設会社と建設構想も幾度となく変更されました。完成予定地における住民からの土地の買い上げも遅々として進みませんでした。

300億Rub規模の大投資ですが、未だにその構想は宙に浮いたままになっています。
2016年から建設が再開され、次の完成予定は2023年だそうです。

 

www.youtube.com

 

 

入居条件

入居条件は、通常プログラムと通信プログラムによってそれぞれ異なります。
プログラムに参加しても、株式取得等の条件はありません。

 

通常プログラム 4500Rub/月 

  • コアワーキングスペース1席/24h 週7日
  • エキスパートセッション参加/年2回まで
  • VC Day・Demo Day・One-on-on meeting参加/クオーターで最低4回以上
  • メンターセッション/クオーターで最低1回以上
  • 会議室利用/月3hまで
  • カンファレンスルーム/クオーターで1回 8hまで
  • 専門家による個別コンサルティング/月3h
  • パートナーネットワークへのアクセス・インターネット/無制限

  

通信プログラム 2500Rub/月

  • コアワーキングスペース1席/24h 週7日
  • エキスパートセッション参加/年2回まで
  • VC Day・Demo Day・One-on-on meeting参加/クオーターで最低4回以上
  • メンターセッション/クオーターで最低1回以上
  • 専門家による個別コンサルティング/月1h
  • パートナーネットワークへのアクセス・インターネット/無制限
  • 会議室利用/1h 500Rub
  • カンファレンスルーム/1h 700Rub

 

▼コアワーキングスペース

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▼会議室

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▼カンファレンスルーム

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上記以外でも、入居企業は別途費用を払えば、追加で会議室の利用や、コアワーキング
スペースの席を確保することができます。また、入居企業でなくても、以下の費用を支払えば入居企業と同じようにサービスを利用できたり、イベントに参加できます。

 

非入居企業

  • コアワーキングスペース1席/1h 150Rub
  • エキスパートセッション参加/1回 5,000~9,0000Rub
  • 会議室利用/1h 950Rub
  • カンファレンスルーム/1h 1,500Rub
  • 専門家による個別コンサルティング/1h 3,000Rub

 

また、月5,000Rubを支払えば、オフィスを借りることもできます。

▼オフィス

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大学・企業・海外との
連携が進む

実績

2009〜2015年までにイングリア入居企業が受けた投資総額は20億Rub以上、
売上総額は30億Rubを超えます。これまでに400社以上のスタートアップや
イノベーション企業のサポート実績があります。

元々が国立通信大学の構想であり、大学との連携も進んでいます。ITMOのビジネスインキュベーターの立ち上げにも関わっています。2016年には、教育機関との連携が進むインキュベーターとしてロシア3位に位置付けられました。

また、近年では、北欧発のアクセラレータープログラムStartUPSaunaの誘致も行いました。

rb.ru

 

 

イベント

Startup Lynch

StartupLynch

毎月1回、最終金曜日の昼11時から開催されるビジネスピッチイベントです。対象者は、入居企業、入居希望者など申請すれば誰でも参加することができます。5分間のピッチと、15分間の専門家からのフィードバックで構成され、毎回4〜10のプレゼンテーションが行われます。イングリアの登竜門的なイベントです。

 

Technology Transfer Day

Трансфер технологий

年に3回行われる、イングリアを象徴するオープンイノベーションのイベントです。
こちらもビジネスピッチイベントですが、Startup Lynchとの大きな違いは、
一般企業とスタートアップのマッチングが目的であるという点です。
毎回違ったテーマで開催され、テーマに合った一般企業がパートナーを務めます。
2014年にスタートからすでに13回以上開催され、イベントを通して17の契約が
結ばれています。5分間のピッチと、5分間のFAQで構成され、10前後のプレゼンテーションが行われます。

 

2016年のテーマ

▼Technology for Life

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▼Technology for Megapolis

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▼Design Day

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Startup Sauna

startupsauna.com

Startup Saunaはフィンランドで始まったアクセラレータープログラムで、2010年から
始まり、今年で7年目になります。北欧、バルト3国、ロシア・東欧を中心に14カ国・20地域で、春と秋の半年に1回ずつ地域選考が行われ、各地域上位3チームがヘルシンキで行われる7週間のアクセラレータープログラムに参加できます。アクセラレータープログラムの参加者は、Slushへの参加資格が与えられます。また、選ばれたチームはベルリン・ロンドン、シリコンバレーへのツアーに参加することができます。
モスクワの注目スタートアップWindyもStartup Saunaの卒業生でした。

windyapp.co

イングリアでは、Startup Saunaのパートナーとなって、地域選考の運営をしています。
イベントには、フィンランドから専門家も召集し、ビジネスピッチは英語で行われます。

 

 

入居企業

イングリアのLeoとAlexseyにイングリアの中堅スタートアップを紹介してもらいました
(6~10人くらいのチームで、月商が約200万Rub)。

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 ▼Conomy

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https://www.conomy.ru/

個人のマイクロ投資向けレコメンデーションサービス。企業の営業実績や財務実績などの統計データを解析して、投資家に最適な投資先を提案する。利用料は、500Rub/月、5000Rub/年を選択できる。同社の提供する、Conomy Portfolioは自動投資ポートフォリオ作成ツール、Conomy Rightは投資ロボアドバイザーサービス(手数料40Rub/1売買)。

portfolio.conomy.ru

 

 

▼Stafory

stafory.com

 

人材採用プラットフォーム。企業の採用情報とリクルートエージェント・フリーランスのヘッドハンターをマッチングする。利用料、手数料は現在無料。同社が提供する人材採用ロボ”ベラ”は、採用情報を入力すると、インターネット上のサイトにアップされているレジュメを検索し、条件に合う候補者に自動的に連絡し、採用情報について説明する。その後、候補者は自動的に送られた採用条件の詳細を受け取り、条件が合えばビデオインタビューを受ける。すでに1,200以上のビデオインタビューが”ベラ”を通して行われ、採用実績も出始めている。
利用料は4,500〜300,000Rub(1レスポンスあたり30〜90Rub)。

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Вера, робот-рекрутер

 

イングリアは、今後イベント運営を通じて、大企業とスタートアップのマッチングプラットフォームとしての機能を強化することを目指しています。オープンイノベーションを活用した大企業との連携は、IPOの少ないロシア市場にとって、スタートアップに残された可能性かもしれません。またStartup Saunaなど、スタートアップの海外展開支援も積極的に進めており、アジア市場に関しても非常に興味を持っています。将来、日系企業サンクトペテルブルクのスタートアップに投資する日が来るでしょうか。

 

 

 参考記事→

www.dp.ru

BLOG

学術都市アカデミガラドクへ潜入

ロシア第3の都市
ノヴォシビルスク

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人口150万人、ロシア第3の都市であるノヴォシビルスクは、モスクワから東に3,000km、
ユーラシア大陸のちょうど中心に位置しています。

 

2600万人を抱えるシベリア地域最大の都市であるノヴォシビルスクは、
1920年代にロシア語で「新しいシベリアの町」を意味する今の名称になりました。

 

スターリン政権下の重工業政策で、シベリア最大の産業都市として発展しました。
また、シベリア最大河川のオビ川が流れ込む地域でもあり、シベリア鉄道の発展と共に、
運輸拠点としての役割も果たしています。

 

ノヴォシビルスク発IT企業といえば、ジオロケーションの”2gis”、オンラインゲームの”Alawar”が有名です。中でも、2gisは3,000人以上の従業員が在籍し、今でもメインオフィスは市内にある為、
雇用創出に大きく貢献しています。

 Alawr

www.alawar.ru

 

2гис(2gis) 

2gis.ru

 

学術都市アカデミガラドク

アカデミガラドクはノヴォシビルスクの中心地から南東に30km離れた場所に、
森を切り開いて建設されました。ロシア語で「アカデミーの町」の意であり、
日本でいう研究都市・学術都市にあたる計画都市です。
筑波研究学園都市のモデルになったともいわれています。

 

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Академгородок | Официальный сайт Новосибирска

 

現在、アカデミガラドクには13,000人の科学者が在籍しています。
周辺にはロシア科学アカデミーに在籍する38の大学、シベリア科学アカデミーに在籍する
8つの大学、18のマルチアクセスセンター、6つのインターナショナルリサーチセンターが
あり、研究分野での協力体制が進んでいます。
中でもノヴォシビルスク国立大学は、ロシア大学ランキングでも10位以内の優秀な大学です。

НГУ | Новосибирский государственный университет

 敷地内には住居エリアもあり、科学者が集中して研究できる環境が整えられています。

 

 

アカデミガラドク内には、テクノパークであるアカデミパークがあります。
アカデミパークは2006年に建設され、その建設費用は200億ルーブル以上と言われています。

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Главная – Академпарк

アカデミパークは、主に4つのクラスターから成り立っています。

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Главная страница — Инкубатор Академпарка

 

 

研究・教育・ビジネスをシームレスに

今回は実際にアカデミパークの運営会社、株式会社テクノパーク(ノヴォシビルスク州が100%出資)の方々にお話を聞いてきました。

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アカデミパークが目指しているのは、”研究”・”教育”・”ビジネス”の有機的なつながりです。
例えば、大学の卒業生達にはアカデミパークに入居する企業に就職する、もしくは自分たちでスタートアップを始めるというキャリアパスが用意されています。また、企業サイドのニーズを受けて開発された
技術は、パイロットテストを経て、OEM製造まで一気通貫で実用化の道を辿ります。アカデミパークではリサーチセンター、大学、企業の横のつながりを生かして、イノベーション技術の実用化を進めています。

 

 

アカデミパークの入居企業数は350社、そのうちビジネスインキュベータープログラムの参加企業が130社です。アカデミパーク入居企業の年間売上総額は、約200億ルーブルで、9,000人の雇用を生んでいます。これは国家プログラムで運営されている12のテクノパークにおいて24%の売上シェアを占めています。 

 

▼入居企業例 

KliChat

メッセンジャーアプリ、ビジネスプロモーション向けメッセンジャー

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KliChat

 

Gransjoy

CtoC海外配達サービス

gransjoy.com

 

また、アカデミパークはヨーロッパビジネスネットワーク(EBN)の一員であり、
国際テクノパーク協会にも属しているので、世界的なネットワークを有しています。

 

アカデミパークの入居企業になるには、ノヴォシビルスク州に登記のある法人ないし個人事業である必要があります(外国企業でもOK)。書類審査を受けなければいけませんが、必ずしもオフィスを借りる必要はありません(ここは、モスクワの Skolkovoレジデンツと似ています)。

大きいオフィスを借りるなら、アカデミパーク内の建物で1フロア〜から借りることができ、小さいオフィスはメインビルディングであるITセンターの中で25㎡〜から借りることができます。また、ITセンターの中には、コアワーキングスペースがあり、これは月$15から借りることができます。必ずしも入居企業である必要はありません。

 

テクノパークでもあるアカデミパークは、2006年からビジネスインキュベーターとしての活動を行なっていて、アクセラレータープログラムの開催、イベントやミートアップのオーガナイズを行なっています。

 

アカデミパーク自体はファンド運営を行っておらず、州政府のグラントやSkolkovoファンドなど、
外部の投資機関と連携して、投資プログラムを入居企業に案内しています。

例えば、アカデミパーク内には”イノベーション振興基金”の地域オフィスがあり、インキュベータープログラムの参加企業に振興基金の投資プログラムの紹介などを行なっています。アカデミパークの入居企業は、研究・開発系の企業や、製造系の企業が多いので、グラントの形式での資金調達が目立ちます。プログラムによって異なりますが、振興基金の場合、投資金額は40万〜1500万ルーブルです。

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Фонд содействия развитию малых форм предприятий в научно-технической сфере

  

 

また、アカデミパーク以外にも、アカデミガラドク内にバイオテクノパークである”Koltsovo”、
ノヴォシビルスク市内に医療テクノパークがあり、ノヴォシビルスクはモスクワとはまた違った
アプローチでロシアのイノベーションを引っ張っています。

 

バイオテクノパーク

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Биотехнопарк Кольцово

 

医療テクノパーク

www.imtcenter.ru

 

 

 

BLOG

IT集積地 ロシア第4の都市ニージニー・ノブゴロド

「ロシアの財布」
ニージニー・ノブゴロド
 

モスクワから東へ400kmの場所に人口120万人、ロシア第4の都市ニージニー・ノブゴロドはあります。オカ川とヴォルガ川の合流する地点で、昔から「ロシアの財布」と呼ばれ、
商工業で栄えた街です。

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有名なロシア国産車メーカー”GAZ”の工場があり、労働人口は70万人と言われいます。

20世紀にロシアの抑圧された人々を描いた、大作家マクシム・ゴーリキー
ニージニー・ノブゴロドの出身です。

 

また日本では馴染みがないかもしれませんが、18世紀の偉大な発明家イヴァン・クリビンも
ニージニー・ノブゴロド出身です。
(ネヴァ川にかかる橋、トラクター、電灯など、実に様々な発明をしています)

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IT集積地としての
ニージニー・ノブゴロド

今回はITスタートアップコミュニティの運営者であるイーゴリに、
ニージニー・ノブゴロドを案内してもらい、いろいろとIT産業とスタートアップ界隈の
お話を聞くことができました。

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 ↓イーゴリの運営するスタートアップコミュニティ

www.it52.info

 

 

ニージニー・ノブゴロドのIT人材は約8,000人で、IT企業が360社以上あると言われています。生活維持コストが低いため、大手企業の開発部署がニージニー・ノブゴロドに
拠点を移してきており、Yandex(80人)、Mail.ru(1200ー1400人)、NetCracker(300人)、
Intel(ロシアでは唯一; 700人)などがオフィスを構えています。

40㎡の1Kなら8,000〜20,000ルーブル/月で借りることができます。
(ちなみに、ペテルブルクだと20,000〜35,000ルーブル/月、モスクワだと30,000〜65,000ルーブル/月)

ここでのIT専門家の平均月給が50,000〜60,000ルーブル、シニアマネージャーレベル(全体の10%程度)になると100,000〜120,000ルーブルになります。

 

ニージニー・ノブゴロドは大企業とスタートアップの関係性が非常に良く、
イベントやミートアップには、企業がオフィスを貸し出しています。

(2/12開催のセキュリティ関係のミートアップ「DEF CON ニージニー・ノブゴロド」では、Yandexがオフィスを貸し出しています)

DEF CON Нижний Новгород

 

ニージニー・ノブゴロドは2013年頃より行政がIT分野の振興に注力し始めました。

2012年末:ビジネスインキュベーターの”CLEVER”がリブランディング
Бизнес-инкубатор CLEVER
2013年:モスクワーニージニー・ノブゴロド間を4時間で結ぶ鉄道≪つばめ≫が開通
2014年:テクノパーク”アンクディノフカ”がオープン

www.itpark-nn.com

 

 

元々は、企業のアウトソーシング先として、受託開発がメインだったニージニー・ノブゴロドのIT産業でしたが、近年はニージニー・ノブゴロド発のスタートアップも注目を集めるようになってきました。国内だけでなく、海外からも投資家がスタートアップを買収する事案が増えてきています。2016年には初めて、テクノパークにてITコンクールが開催されました。

 

 

  • ニージニー・ノブゴロド発で注目を集めているスタートアップ 

Idei Podarkov
ギフト特化EC

ideipodarkov.net

 

NN.RU(ニージニー・ノブゴロド オンライン)
ニージニー・ノブゴロドのポータルサイト

アメリカ人投資家に買収されました

https://www.nn.ru/

 

NNOV.ORG
ニージニー・ノブゴロドのポータルサイト

EXIT済み

www.nnov.org

 

Adore Games 

オンラインゲーム開発

adoregames.com

 

Freemake

オーディオ・ビデオコンバーター

www.freemake.com

 

DVDVideoSoft 

オーディオ・ビデオコンバーター

www.dvdvideosoft.com

 

 itSeez3d
3Dスキャニングモバイルアプリ

Mobile 3D Scanner App for iPad | itSeez3D

 

Intelsol
スマホゲーム

intersol.pro

 

Comfortway
グローバルSIM

www.comfortway.com

 

akogda 
最新ドラマお知らせサービス

akogda.com

 

  • エンジェル投資家

Eduard Fiyaksel

Eduard Fiyaksel — GVA LaunchGurus

 

 

Comfortwayの開発者たちと

前回、RSP技術を使ったグローバルSIMを開発したComfortwayを紹介しました。

russiabuzz.hatenablog.com

今回、オフィスを訪問させてもらい、開発者のマキシム(左)とジェーニャ(右)から話を聞くことができました。

 

f:id:komababasukebu:20170212040246j:image

 

Comfortwayのプロジェクトがスタートしたのは、実際には2009年頃からでした。
このプロジェクトに関わる彼らは、企業のアウトソーシングを受けたり、他の企業に勤めたりと他にも収入源がある中で、プロジェクトを進めています。

 

実際、ComfortwayのSIMカード事業が始まるには、”Video Consultant”
(コールセンターのオペレーターが使用する営業ツール)というBtoB向けソフトウェアを
開発して、サービス提供していました。

 

Comfortwayの今のチームは15人。モスクワにヘッドオフィス機能があり、
開発がニージニ・ノブゴロド、他にも香港やチェコプラハにもスタッフがいます。
会社登記上はチェコ法人です。

 

今は、モスクワを中心に営業を進めており、世界中の通信事業者とパートナーを組み、
BtoCでグローバルSIMの販売を加速させていくとのことです。

今後の展開としては、

  • SIMカードとモバイルアプリのロゴを事業者毎にカスタマイズ
  • バイルアプリに電話機能を追加
  • バイルアプリからホテル・タクシー・レストラン予約を可能にし、
    予約する毎にボーナスをもらえる機能を追加

 

グローバルな競合相手を認知はしていますが、ソリューションが異なるため、
サービス認知と開発投資のスピードを上げていきたいとのことでした。

 

日本市場については、現在は中国の通信事業者を通している為、
料金体系が割高になっており、日本の通信事業者と直でパートナー契約を結びたい、
とのことでした!大手通信会社の皆様、ご連絡をお待ちしております!

 

彼らは30代で、落ち着きもあり、とてもオープンな性格で、
初対面にも関わらず、本当によくしてもらいました。

 

彼らのグローバル展開が成功するように今後も応援したいと思います!

 

 

 

 

BLOG, Hot startups

SIM一枚で世界を渡る!クラウドSIMの”Comfortway”

近年は海外旅行の際でも、現地で携帯やスマートフォンを利用できるサービスが増え、
非常に便利になりました。

 

大手キャリアの海外パケットし放題や、レンタルポケットWifi、現地SIMカードの購入など、様々な方法があります。

 

便利になった反面、海外に行った際、ついデータローミングの設定変更を忘れてしまった事はありませんか?ひどい時には帰国後に高額な請求がくることも。。。

 

日本では最近、 「海外ローミング放題SIM」というチャット機能だけに制限した海外渡航者向けSIMカードが発表されました。

サービス紹介 – 海外ローミング放題SIM – 留学・旅行で大活躍の海外SIM

 

今回ご紹介する ロシア発のスタートアップ”Comfortway”は、全く別のアプローチで、
この携帯電話・スマートフォンの海外利用という市場に切り込んでいます。

 

もうローミングは必要ない?
SIM一枚で世界を渡る
“Comfortway”

 

f:id:komababasukebu:20170208024230g:plain

www.comfortway.com

 

Comfortwayは国内でも海外でも一枚のSIMカードだけで、スピーディーに
現地の通信回線に接続し、格安通信を可能にするサービスを提供しています。

 

利用方法はいたって簡単です。

  1. ComfortwayのSIMカード(CwSim)を購入します。
  2. App storeGoogle playからアプリをダウンロードします。
  3. アプリ上で現地の通信会社と料金体系を選択して、利用することができます。


comfort way

 

 

SIMカード自体は、990ルーブルで、届いた時点で5ユーロ分が利用可能になっています。

 

現在、利用可能国は140以上です。

 

料金体系は、国とパケット量によって異なりますが、主要国は以下の通りです。

【アメリカ】

100MB – 2€、200MB – 4€、500MB – 10€、1024MB – 20€

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【フランス】

100MB – 2€、200MB – 4€、500MB – 10€、1024MB – 8€

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【日本】

100MB – 34€

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ちなみに、
ソフトバンクの海外パケットし放題が、0~1,980円/日、25Mバイ以上なら2,980円/日。
「海外ローミング放題SIM」がチャット利用だけで4,000円/年間。

 

【ロシア】

100MB – 2€、1024MB – 5€

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ちなみに、
ロシアの大手通信会社が、300〜2,000ルーブル/月(約4.7€〜31€)

 

 

バーチャルSIMテクノロジー

ComfortwayがどうしてSIM一枚で世界中の回線に接続でき、かつ、
ローミングを必要としないかというと、”バーチャルSIM”という製品を
彼らが開発したからです。

 

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ここにはRSP(Remote SIM Provisioning)という技術が活用されています。
この技術は、2014年のGSMA(携帯電話システムの標準化や技術開発を目的とした
業界団体)によるカンファレンスで発表され、2016年に正式に標準化されました。

 

この技術によって利用者は自分の端末から、SIMカードの書換えを行うことができるようになりました。

Comfortwayは渡航先でアプリを通して、自らSIMカードの情報を書換え、
通信事業者と料金体系を選択するという仕組みをサービス提供しています。

 

 

Comfortwayが創業したのは、2012年です。創業者のアレッグ・プラブディン(Олег Правдин)は当時、旅行者向けの3GWifiルーターの提供をしていました。

 

2015年にФРИИ(Internet Initiatives Development Fund:ロシア最大のインキュベーター)のアクセラレータプログラムに参加し、80万ルーブルの出資と60万ルーブル相当の、
エキスパート支援を受けています(7%の株式と引き換え)。

 

同2015年からSkolkovoに入居し、2016年、欧州の通信会社から
総額600万€の増資を受けました。

 

今回の増資によって得た資金は利用可能範囲を広げていくことに使用される予定です。

すでに日本でも利用可能なので、次回日本に帰国する時には、
利用してみたいと思います。

 

Comfortwayの開発はニージニー・ノブゴロドで行われています。
オフィスを見に行けるということなので、その記事は次回の
「ニージニー・ノブゴロド特集」で書きたいと思います!

 

参照記事→

sk.ru

 

 

BLOG

必読!ロシアのVC(ベンチャーキャピタル)まとめ!

今回はいつもと趣向をかえて、ロシアのスタートアップにおける、
VC(ベンチャーキャピタル)についてまとめてみたいと思います。

 

ru-Net Holdings

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https://ru-net.ru/

 

1999年からIT企業への投資を続けるロシアIT業界の大御所です。現在はホールディング化され、VCとしての役割は子会社の”RTP ventures”が担っています。

 

投資分野はE-commerce、コンテンツ、企業向けソフトウェアなどです。投資額も大きく、シリーズA以上で5億円〜100億円まで幅があります。

 

ロシア国内で2000万人のMAUを誇る動画サイトivi.ru に40億円、ロシア国内最大ECサイトOzon.ruに100億円を投資しています。

ポートフォリオ(ru-Net Holdings)
 Practo, CupoNation, Pepper Tap, Delivery Hero, Housejoy, FAASOS, Snapdeal, ivi.ru, Ozon.ru
 【Exit】 Yandex, Dealfind, FreeCharge, Payleven, FREECULTR, SoMuchMore

 

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https://www.rtp.vc/

ポートフォリオ(RTP ventures)
 WorkFusion, GridGain, Koding, Datadog, Zerto, Fab
 【Exit】 Precog, RingCentral, Fab, Tutum

RTP venturesはru-Net Holdingsの子会社で、2011年設立。1億円〜10億円を投資し、投資分野は、クラウドコンピューティングや企業向けソフトウェアです。

 

 

Inventure Partners

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inventurepartners.ru

2012年設立。ファンド規模は280億円で、1億〜5億円くらいの投資案件が多いです。現在は10社に投資しています。その中には、シリーズBで20億円の投資を受けたGett(Get Taxi:イスラエル)も含まれます。

投資分野は、コンシューマー向けサービスが多く、観光系への投資も目立ちます。特徴的なのは、他のグローバルVCと比べて、ポートフォリオにおけるロシアのスタートアップが多いことです。

ポートフォリオ
 2can, CHRONEXT, onlinetours, Gett, Moneymatika, American Well, BUSFOR, Netology Group, CrowdSystems
 【Exit】 Fogg Mobile, GETGOING

 

Sergey Azatyan(創業者)

アルメニア出身。モスクワ金融大学を卒業後、コンサルティング会社、投資ファンドを 経て、2005年にMarshall Capital Partnersを共同創業。Rustelecomの合併に関わるも、パートナーからIT分野への投資に理解が得られず解散。2011年にRambler, Mail.ru, Yandexを経験したAnton Inshutinと共にInventure Parnersを立ち上げる。

 

 

Flint Capital

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www.flintcap.com

2013年に設立され、イスラエルにも注力するVCです。ファンドは100億円規模で、基本的には1億〜10億円の投資案件が多いですが、中には20億円以上のものもあります。

投資分野は、AI・Bigdata、デジタルマーケティングSaaSなどが多いです。
以前にこのブログで紹介したYouDO.comもここからシリーズAで1億円、シリーズCで6.2億円の投資を受けています。

ポートフォリオ
 Socure, Job Today, CiberX, YouDO.com, YouAppi, Any.do, Deeplink, Webinar.ru 
 【Exit】 Lending Club, BlazeMeter, MentAd

 

 

RunaCapital

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www.runacap.com

 

2010年に設立された、クラウドコンピューティングや仮想化、モバイルの分野に投資するVCです。2つのファンドをもち、合わせて270億円規模です。


20〜40%と引き換えに、3〜5億円を投資していますが、10億円を投資した案件もいくつかあります。ロシアだけでなく、シリコンバレー、ドイツ、イギリスを含む11カ国、
40企業に対して投資しています。


また、2014年に公表した2号ファンドは135億円規模で、投資分野はクラウド技術、
高度なセキュリティ技術、機械学習フィンテック、教育、ヘルスケアです。

ポートフォリオ
 Nginx, Ecwid, LinguaLeo, Jelastic, Dnevnik.ru, Procurify, Smava, LENDIO
 【Exit】 Parallels, Acronis, Begun, Metabar, capptain, BackupAgent, Think Grid, StopTheHacker, Rocketbank

Serguei Beloussov (創業者)

サンクトペテルブルク出身。モスクワ物理工科大学で物理電気工学の修士コンピュータサイエンスの博士を取得クラウドコンピューティングにおける第一人者。Mac OSのデスクトップ仮想化のParallels
データ復旧サービスのAcronis ゼロから1000人規模の大企業へと成長させた。

 

 

AlmazCapital

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www.almazcapital.com

 

2008年設立のVCで、投資分野はインターネットインフラ、企業向けソフトウェア、
デジタルメディア、E-commerce、モバイル・コンシューマアプリ、
コミュニケーション、Dataストレージ・マネジメントです。


1030%と引き換えに 7億円〜10億円を投資しています。2013年の終わりに発表した
2ファンドRuna と同規模200億円程度です。また、Qikは Skyepに150億円で売却した、
ロシアのIT業界ではトップクラスの成功事例です。

ポートフォリオ
2can, Acumatica, AlterGeo, Jelastic, Paralells,CarPrice,GridGain
【Exit】Qik, Yandex, Appscotch, nScaled, Odin, Sensity Systems, Vyatta

 

Alexander (Sasha) Galitsky (創業者)
モスクワ物理工科大学コンピュータサイエンスの博士を取得後、ロシア連邦宇宙局で衛星のデータ通信の開発。その後、ソフトウェアの会社を5社売却し、シリアルアントレプレナーとして、ロシア初のVCファンドを立ち上げる。現在は、スコルコボのボードメンバーとしても活躍。

 

iTechCapital

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https://www.itcap.ru/

2011年設立のVC。投資額は1億円〜10億円です。投資分野はアドテク、デジタルマーケティングツール、メディア、テレコミュニケーション、E-commerce、E-banking、SNSです。現在は10社へ投資していますが、特筆すべきは1件あたりの投資額です。

ポートフォリオ
SEOpult, Garpun, icontext, Ticketland, aviasales.ru, CLICKKY, TradingView, ecwid, BitFury
【Exit】Qiwi, Applied Data Systems

チケット販売最大手のTicketland、航空券予約のaviasales.ru、SEO大手のSEOpultに
10億円ずつ、さらに、アドテクの
Garpun に3.5億円、ブロックチェーンのBitFuryには20億、icontextは非公開ながら同社の株式25%相当と、大きな金額を投資しています。

 

Grishin Robotics

grishinrobotics.com


mai.ru
最高経営責任者であるドミトリー・グリシン(36) ポケットマネー25億円で2012年に設立したファンド。コンシューマー向けロボットに特化しています。2016年に設立した2号ファンドは100億円規模で、シードラウンドからレイトステージまで幅広く投資しています。

ポートフォリオ
STARSHIP, Planetary Resources, littleBits, Occipital, Bolt, Sphero
【Exit】

Dmitry Grishin (創業者)

モスクワ工科大学でロボット工学(学士)を専攻。その後はビジネスの世界に浸り、2005年に Mail.ru Groupを共同創業し、2010年には、Mail.ru912億円の評価額でIPOに導く。同年、ユーリミルナー(ロシア最大の投資家)の後を継ぎ、グループ会社の最高経営責任者になる。

 


UMJ Russia

www.umj-jp.com

日本で唯一のロシア向けファンド。現在は、IT、メディア、マテリアルの 3分野10社への投資を行っています。支援先の Teamo.ru はロシア最大のお見合いサイトで、数百万人が登録しています。有名な心理学者によって設定された 17の性格診断を元に、
適切なパートナーとマッチングするサービスです。

参照サイト→

https://www.crunchbase.com/

nagakeso.hatenablog.com

長浜さんというロシアのIT業界を詳しく調べていた方がいらっしゃったので、
これは、ぜひ情報をアップデートせねば!と思い引用させて頂きました。

 

BLOG, Hot startups

質にこだわるお手伝いサービス”YouDo”

日本でもTIMETICKETや、ANYTIMESなど空いた時間を使って、自分の「得意」を売るサービスが流行っていますよね。

TimeTicket[タイムチケット]

ANYTIMES : あなたの近所で「得意」を売り買いしよう

 

 

今回は、ロシアで急激に利用者を伸ばしているYouDOをご紹介します。

日常の問題解決に!
お手伝いマッチングプラットフォームのYouDO 

 

f:id:komababasukebu:20170127010746j:plain

youdo.com

ロシアでは、エージェント会社を通して、専門家に依頼することが一般的ですが、
サービスの質がまちまちだったり、中間手数料を取られて、
高額請求に発展することがあります。

 

 

その解決方法として、CtoCプラットフォームに目をつけたのが、YouDOです。

現在、問題としてカテゴリ登録されているのは、16種類。サブカテゴリまで含めると、100種類以上の項目から選択することができます。

 

カテゴリは、部屋の掃除などの日常的なものから、サイト制作など専門性の高いものまで、幅広くメニューが取り揃えられています。

 

以下は、実際の利用方法です。

 

【依頼者が自ら問題を提示する場合】

  1. 依頼者が自分の問題をYouDOに登録します。手伝って欲しいことをカテゴリから選択肢、日付・期間・料金などの情報を入力します。
  2. 入力された情報から、サービス提供者が提案を送ってきます。
  3. 提案の中から自分にあったものを選択して決済します。

    ↓申し込みフォーム

    f:id:komababasukebu:20170124163105p:plain

    ↓問題がカテゴリ毎に列挙されている。
    f:id:komababasukebu:20170124164611p:plain

    ↓説明動画

    Как создать задание на YouDo

【カテゴリから受注者を選択する場合】 

  1. カテゴリからサービス提供者を選択します。
    カテゴリ別に目安料金が表示されています。

    f:id:komababasukebu:20170124164406p:plain

 
基本的に、依頼者は手数料無料でこのサービスを利用できます。
サービス提供者が支払う料金体系は、以下の2パターンのいずれかを選択できます。

  1. 問題に対しての提案送信  *20ルーブル〜 / 1提案あたり
  2. 提案回数無制限方式  *4〜281ルーブル / 1日あたり 
    *カテゴリによって値段が変動する

↓無制限方式カテゴリ別料金表

f:id:komababasukebu:20170124172252p:plain

 

例えば、サービス提供者は、複数のカテゴリにまたがって異なる提案を、
依頼者に送る場合、都度提案に対して支払った方がコストが抑えられます。一方、
一つのカテゴリに絞っているのであれば、無制限方式の方が沢山提案を送れますので、お得になります。

 

元々は、1契約あたりに対しての手数料発生(5〜15%)でしたが、
2016年から現在の料金体系に変更されました。

 

険しいサービス提供者への道

ただし、誰でもサービス提供者になれる訳ではありません。YouDOはサービス提供者に厳正な試験を課しています。

申し込みはYouDOのサイトから行えますが、まず書類選考の時点で、犯罪歴や、
クレジットカードの支払い遅延、行政処分など、あらゆる側面から、
信頼にたる人物かどうかが判定されます。書類選考の時点で、60%落選します。
その後、オンラインテストを受け、複数回にわたる面接を突破しなければなりません。

サービス提供者は、約1000人。うち600人がアクティブに活動しています。
また、サービスを利用しているのは、主に都市部に住んでいる25歳以上の、
平均以上の所得があるユーザー層です。登録者数は80万人。うち20万人が、
少なくとも一度は利用したことがあり、3,000人が週に一度は依頼をしています。

現在、1日の依頼数は約2,000件。平均の依頼金額が2,000〜2,500ルーブルです。

 

 

サービスローンチは2012年。ファウンダーのДенис Кутергинは、元々、軍人の家系で育ち、自身も防衛大に通っていました。しかし、インターネットに出会い、
彼は大学を中退し、起業の道を歩み始めます。

 

CtoCプラットフォームとしての再スタート

2009年、Денисは共同創設者のАлексей Гидиримと、今のYouDO.comの前身である、
YouDO.ruをスタートしました。

YouDOは元々、今のCtoCの形でなく、企業のPRイベントをオンライン上で支援する
サービス(例えば、レモンをいかに早く食べれるかを競う動画を掲載する)で、
BtoCがメインでした。

 

2012年、YouDOはYouDO.comとして再スタートしました。ターゲットを企業から、
一般消費者に切り替え、CtoCプラットフォームとしてピボットしたのです。

 

再スタートしたYouDOの勢いは凄まじいものでした。2012年には、
Forbs.ruのスタートアップコンテストで準優勝し、同じサービスを展開していた、Yandex(サービス名「Yandex.Master」)を2015年、市場から撤退させました。

 

 

 前身のYouDO.ruの時から、一度も外部からの投資を受けていないYouDO。
今後は、世界展開も視野に入れているということなので、ますます期待がかかります!

 

インタビュー記事→

www.the-village.ru

www.forbes.ru

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