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 先日、ロシア家電大手のエムビデオは、2017年3Qまでに、非接触型の決済が昨年対比で2.7倍に成長したと報告しました。その結果、店頭での非接触型決済比率は20%にまで増加しました。今回は、ロシアで急増するモバイル決済についてみていきたいと思います。

 

 

非接触型決済とは

 非接触型決済とは、ICチップのついたプラスチックカード(デビッドカードやクレジットカードなど)やモバイル端末などの媒体と店頭のPOSターミナルを使って、無線通信により行われる電子決済のことです。日本では楽天EdySuicaなどがこれに当たります。現在、ロシアの小売市場における主要な非接触型決済というと、金融機関が発行するICカードを使った非接触型決済(マスターカードコンタクトレス、ビザペイウェイブなど)と、アップルペイに代表されるモバイル決済があります。日本ではソニーが開発したFeliCaの規格がまだまだ多いですが、ロシアでは、国際的にメジャーなNFC(近距離無線通信)規格が主流です。

非接触型決済機能付きクレジットカード(Visa PayWave)

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出典:オリコ(https://www.orico.co.jp/creditcard/oricocardpaywave/

trendy.nikkeibp.co.jp

 

 ICカードを用いた非接触型決済は、NFC技術により、コンタクトレスICチップが搭載されたプラスチックカードを専用の端末に近づけるだけで決済を行うことができます。クレジットカードの国際標準規格EMV仕様に準拠しているので、セキュリティ面に関しても安心して利用できます。

blog.kaspersky.co.jp

 

 モバイル決済は、アップルなどのサービス提供会社が金融機関と提携し、ユーザーは提携の金融機関が発行しているカードをスマートフォンのアプリに登録することで利用可能です。モバイル決済もNFC技術を利用しているので、アプリがインストールされているスマートフォンをPOSターミナルに近づけるだけで、電子決済を行うことができます。

モバイル決済(Apple Pay)

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ICカードを用いた非接触型決済

 ロシア中央銀行によると、2017年の3Qまでに、小売セクターにおける個人の非現金決済比率が全体の38%を占めるまでに成長し、カードによる現金の引き出し金額を、カードを利用した非現金決済額が上回りました。ここ10年間でロシアのカード決済比率は上昇しています。

 

 マスターカードの非接触型決済、マスターカードコンタクトレス(旧称:マスタカードペイパス)は2008年にロシア市場で初めてテストされました。一方、ビザのコンタクトレス決済、ビザペイウェイブは2011年に導入されました。

 

ICカードのコンタクトレス決済は、その後も順調に利用者を伸ばし、2016年にビザが行ったアンケート調査では、アンケート回答者の約8割がICカードのコンタクトレス決済について知っており、そのうち約4割が実際に利用していると答えています。

 

 ロシアにおける非接触型決済の主流は、ICカードによるコンタクトレス決済で、X5グループは非接触型決済における70%がICカードの利用で、30%がアップルペイとサムスンペイ経由だったと報告されています。

 

 

モバイル決済市場

 ロシアでは、2016年秋から2017年にかけて非接触型決済比率が大幅に増加しています。モバイル決済の拡大は、各社の参入時期が理由の1つと考えられます(図1)。

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 ロシアでは、アップルペイ、サムスンペイがそれぞれ2016年秋に参入、アンドロイドペイは2017年5月に進出を果たしています。

 

 アップルペイに関しては、提携する金融機関の数が、ヨーロッパ諸国の中で最も多い39機関あり、またスマートフォンのロシア市場シェアでもサムスンにつぎ、二位になるなど、圧倒的な存在感を誇っています。一方で、サービスの立ち上げが半年遅れたアンドロイドペイは、急激な追い上げを見せており、先日のビザの発表によると、アンドロイドペイでのビザトークンの発行総数において、ロシアが世界一位となりました。ビンバンクによると、三社のシェアは、アップルペイが66%、サムスンペイが18%、アンドロイドペイが16%だそうです。

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サンクトペテルブルクのほとんどのスーパーチェーンでモバイル決済が利用可能です

 

NFC対応POSターミナルの拡充

 ロシアにおけるモバイル決済の伸長には、店頭における決済端末の整備が理由の1つとして考えられます。ロシア中央銀行の調査によると、2017年3Qにおける小売店舗のPOSターミナルの数は、約202万台で、年々急速に整備が進んでいます(図2)。

 

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 元々、ロシアではプラスチックカードを受け入れるPOSターミナルの導入が遅れていましたが、ロシアでは、決済端末は銀行に管理されており、銀行がターミナル整備の導入を急ぐ事で、非接触型決済への対応を促進させています。ジェムアルトによると、2016年のロシアにおけるNFC対応のPOSターミナルは約23万台で、全体の10%弱のカバー率でした。しかし、ズベルバンクをはじめとする大手銀行はNFC対応のPOSターミナルの導入を急いでおり、ベーテーベー銀行ではすでに半数以上の端末でNFC対応が進んでいます。一方で、ヨーロッパでは、POSターミナルは店舗で管理されているので、新たにコストをかけてターミナルを最新のものに更新していくインセンティブが働かないという背景があります。

 

 また、先日、スポーツウォッチやスマートウォッチを提供するガーミンがロシア市場において、モバイル決済可能なスマートウォッチ『ガーミンペイ』を導入していくことを発表し、現在、金融機関との調整を始めています。ロシアのモバイルウォレットアプリであるカシリョクも、銀行との提携を進め、モバイル決済市場に進出しています。POSターミナルの拡充と、新たなプレイヤーの参入により、ロシアの非接触型決済の市場は今後も拡大していくことが予想されます。 

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出典:Garminhttps://www.garmin.ru/garminpay/

 

 

地図で見るロシアハンドブック

地図で見るロシアハンドブック

 

 

 

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